YAJ

ラサへの歩き方 祈りの2400kmのYAJのレビュー・感想・評価

4.8
【Great Movie】

 五体投地して観に…行こうと思ったけど、渋谷区は朝から豪雨警報発令で止む無く徒歩で向かう(笑)

 イメージ・フォーラム渋谷は昨年「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」を観て以来。ここ、年齢割引がない箱なんだけど、観終わってすぐ、
「これ、割引で観ちゃダメでしょ!」と奥さん。
定価1800円の価値あり!の作品でした。

 すごい映画だった。いや、すごい暮し、すごい信仰心、すごいリアリティだ。BGMも何もなし、カツンと手板を合わせる響き、大地と身体の擦過音、風の音、雨の音だけ。 後は「お祈りしよう」と言う声に続く念仏の唱和がひたすら静かに流れる。

 前代未聞の映画だと思う。鑑賞後に公式サイトの制作ノートを読んでさらに驚かされる(読むなら鑑賞後がオススメ)。
 人はすごい!シンプルは強い!文明なんて!(でも、スマホは出てくる・笑)

  オススメ!!

【後日譚】ang Ki Thungkar la tashi delek!

 ラサの映画に深く感銘を受けた我々、今宵の祝膳はTIBET料理で!雨上がりの夕刻、自宅から歩いて(五体投地はさすがに無理!)曙橋は防衛省真ん前にある「Tashi Delek」へ。

 映画の中で出演者が食べていたツァンパ!=焦がし麦粉(日本では、はったい粉)を、早速オーダー(画像2枚目)。一応、やり方を教わり見よう見まねで捏ねてはみたが仕上げはプロに(画像3枚目)。ぐっと手で握ればしっかり団子になりつつも、手にべたつかない絶妙の水加減!(いや、バター茶加減!)
 その他のお料理と合わせて美味しく頂きました。

 他にお客も少なく、何となくフロアのスタッフさんと雑談に。「えー、代々木から歩いて?」「お店知ったキッカケは?」「あぁ、映画!いつ観た?」と話が弾む。
 でも「ラサには行ったことありますか?」、「えっ?ないの?大変なんですか?遠いの?」とこちらからのそんな問いあたりから話が思わぬ方向へ。

「亡命チベット人って判りますか?」と彼。
 なんと、ダライ・ラマさんが国外逃亡したころにインド、ネパールなど周辺国へ亡命したン万人の一人が彼のお父さん世代で、彼はインドで生まれ、わけあって日本に。そんなわけで母国には足を踏み入れたことがないのだそうな。

 やはりチベットには帰りたいか?と訊けば、
「そりゃそうですよ~」と。

 その望郷の念たるや、およそ我々の想像を軽く超越している。
 お店ではチベット関連映像の上映会やチベット語講座とかいろんなイベントもやっている。
 とってもヘルシーな料理をまた楽しみに行ってみよう。
YAJ

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