幕のリア

RAW〜少女のめざめ〜の幕のリアのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.6
体液まみれの匂い立つ愛憎、
繰り返される人間の愚行と拭い切れない業、
強いられる通過儀礼と帰属意識による安堵、
他者との共存には必要悪である穢れ、
様々な題材を、排水溝でとぐろを巻く毛髪のように複雑に絡め合う。

家族、
愛する者、
愛されたい者、
愛しきれない者、
避けられない他者、
数少ない登場人物に投影される人間関係の真理。

優れた女性監督の世界観と画力は圧倒的で、「ノクターナル・アニマルズ」を想起した人も多いのではないだろうか。

姉妹役の二人の若手女優の鬼気迫る姿に感服。

恐怖と笑いはコインの裏表。
笑う事しか出来ない凡人の自分を嘲けてしまおう。

これは余韻が続くな、きっと。

2018劇場鑑賞29本目
幕のリア

幕のリア