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浮雲のpompeiiのネタバレレビュー・内容・結末

浮雲(1955年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いい作品ですな〜。

女たちは次々とどうしようもないダメ男に惹かれては捨てられるのだが、それも日常の一コマに過ぎないと言わんばかりに淡々と描く。
ただ、女が死ぬと棺を用意するために金を集めたり、泣き喚いたりする。このダメ男がもつ愛情の一貫性のなさには同情の余地がない。

役者という観点だと、森雅之との関係に苦しみながらも、そんな素振りを一切見せない高峰秀子の演技が光る。
頻出する薄暗いバスクラリネットの音色が作品の雰囲気にぴったり。


メモ

・高峰秀子があまりにも美しい。発声も妖艶。
原節子もそうだけど、この時代の女優さんは奥ゆかしさと豪胆さを兼ね備えている気がする。

・キスの瞬間に不倫していた戦時中と現在が切り替わる。↓のセリフが痛切に。

「いつまでも昔のことを考えたって仕方がないだろ」「昔のことがあなたとあたしには重大なんだわ。それをなくしたらあなたもわたしもどこにもないんじゃないですか」

・「あたしたちって行くところがないみたいね」

・花のいのちは みじかくて 苦しきことのみ 多かりき


その他
・森雅之はゲスいことをやっていても品がある。父親が有島武郎、おじさんが里見弴
https://youtu.be/hldoWC7xrlI?si=2ngavcz1drVhKU0f
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