しゅう

浮雲のしゅうのレビュー・感想・評価

浮雲(1955年製作の映画)
3.7
昔、岩松了の芝居で「浮雲」をシアターコクーンで観た事がある。確か話は二人が屋久島に着いて以降からだったような…。

とにかく、それ以来この映画の事は気に掛かっていたが、この機会に劇場にて初鑑賞(ちなみに成瀬巳喜男監督作も初めて)。

森雅之は無能の人が良く似合うし、山形勲の様な男根主義者が幅を利かす時勢にあっては、却ってその無力さが女達の庇護欲を掻き立てるのもわかる気がする。

ただ、映画としては長過ぎる。

原作の重要なエピソードをこれ以上削ぎ落とせなかったのかもしれないが、基本的には二人がついて離れての繰り返しなので流石にくどく感じる。

しかも、各エピソードの語り口自体は手際が良くスピーディーなので、尚更全体の長さが気になってしまう。

エピソードを整理して、もう20分ほど短かければ、もっと面白く観れたかも。
しゅう

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