<<ラスト10分、貴方は困惑する>>
アルファベットの最後の文字がつくようなサメ映画に期待されることをほぼ完璧に取り揃えた傑作。
なによりもこの作品のすごいところはストーリーがあるようでいて、実は全編ナンセンスなオムニバス形式になっているところ。
たとえばインチキ霊媒師は本当に最後の最後まで登場するのだが、そのキャラクターがストーリーになんらかの重要な役割を果たすかといえばそんなことはない。
一方でサメはタイトルにこそ喧伝されているが、実は途中までしか登場しない。しかしこの登場の希少さが莫大なインパクトを与えるかといえばそうではなく、ラストまで視聴するとサメさえもそこまで重要ではなかったことがわかる。
映像作品を制作する立場にとって、ストーリー性というのはまったくの価値がないことを教えてくれる教導的な一作。万人がモチベーションさえあれば映画は作れるのだ。
日本人の視聴者の視点からすると唐突な天使の登場にはフフッとなってしまうこと間違いなし。