藤見実

永遠と一日の藤見実のレビュー・感想・評価

永遠と一日(1998年製作の映画)
3.7
旅芸人、シテール、と観てきて三本目だが、前2つにある内奥をみることを拒むような鉱物の曇った表面に当たるようなわかりにくさがなかった。脚本も非常に魅力的。(わたしはいまのところ物語を拒む物語としての旅芸人が一番好きだけれど)

ブルーノガンツからブルーノガンツじゃない声が聞こえてくるのはどうしても違和感があった。しかしブルーノガンツはアルマーニのコート共々適役だったとおもう。

アンゲロプロスの映画に出てくる地形は、どれもとても魅力的。とくに国境のシーンは大変美しかった。

海辺に家族みんなで並ぶカットがあるのだが、どうしても旅芸人一座がくすんで降り立つ有名なシーンと比べ、その光り輝く白が嬉しいし悲しかったな。

船の汽笛が変な和音をつくるのは秀逸だった。
藤見実

藤見実