矢吹健を称える会

シュガー・ラッシュ:オンラインの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

2.6
 マーヴル映画にとっての『デッドプール』、DC映画にとっての『レゴバットマン』のようなメタメタしい作品として、ディズニー/ピクサー作品への言及なんかはそれなりに面白く見ましたが、各種SNSやインターネットサービスのあるあるネタはどうなんだろう。正直言ってラルフが日本でいうYouTuberみたいなことやって、「いいね」の数を換金して云々というオハナシ、説得力に乏しいっていう点はさておいても、ギャグとしてイマイチだと思うんですよね。視覚的にも文脈的にも。あるいは、ここでのギャグは観客の同時代的な感性ないし経験則に頼りすぎてるんじゃないかという気がする。フィル・ロード&クリス・ミラーのセンスには遥かに及ばないと思ってしまう。
 ただしコピーラルフの集合体は圧倒的キモさがあって素晴らしい。劇場で見ていて「うわっ……」てひくほどキモかった。なんかよく見るともぞもぞ動いてるのが最高にキモい。

 今回新登場のシャンクは確かにクールなキャラクターで、彼女をきっかけにラルフとヴァネロペの関係は今回、大変ビターな変遷を遂げており、そのへんの塩梅はアダルトで沁みるものがございます。最後の方のラルフなんてほとんど笠智衆ですよね。しかし別れのシーンで手を振りまくるのとかはアホっぽい。