ギリシア出身のヨルゴス・ランティモス監督。本作もギリシャ神話をもとにしているのだそうだ。父親は息子に厳しく、母親は娘に厳しくあたる。
＜そういうことになっている＞という定めを皆がなぜか了解している。それは監督の前作『ロブスター』でも同様だった。バカボンのパパなら、青島幸男がいつ国会で決めたのだ？としつこく問いただすところだ。
滑稽なまでに利己的なゲームが始まる。家族は二度と元には戻れないポイントに向かってそれが当然であるかのように進んでいく。
罪は人知を超えて償われる。そして悲劇は滑稽さを伴っている。大きな物語は何千年も続いているのだろう。
