hajime363

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのhajime363のレビュー・感想・評価

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いやー楽しかったー!
世の中、感動する映画は沢山あって、それはそれで素晴らしい事なのだけど、画面に釘付けになる体験って久々。全然系統違うけど「エル・トポ」以来かも。
(本当に全然違うのでエル・トポ好きな人にオススメとかじゃないですよ)

構図とかカメラワークがどんな作用をしているのか全く分かりませんが、緩やかなパン、チルト、ズームが多かった気がします。あと、病院のシーンは必ずピンホールカメラのように四隅が暗かったり、何だか盗み見てる気分になります。(でも、それが物語上どのような作用を観客にもたらしているのかは解釈が及ばないのだけど…何となく不安感煽られる)

音楽も不安感を増長する感じで、メッセージとかボーダーラインの人に似てる気がした(実際には違います)

演技というか演出というか…
・娘に躊躇なくビンタするニコールキッドマン
・処女の陰毛を探すコリンファレル
・10日間で2つipodを無くすラフィーキャシディ
・這いつくばりながら自分の髪を切るサニースリッチ
↑このあたりのシーンがお気に入りです。
バリーコーガンは全編最高。ネタバレになるから書かないけど。

監督がインタビューで語っていたテーマである“正義”と“復讐”について、個人的に「やられたらやりかえせ」は好きではないけれど、当事者全員がその価値観で合意出来てるならいいのかな?ということですかね。本作では、その価値観を無理矢理に押し付けられてる感あるけど笑

作家性に関する解釈。
今回も“気に入られるため、好かれるため”の露骨な行動がありました。「ロブスター」が好かれるための行為を“するかしないか”に対する葛藤だとすると、本作はされる側の葛藤にフォーカスが当たっていた印象。本心かどうかなんて受け手には到底把握出来ないし、仮に嘘でもちょっとテンション上がるよね、ということで結論“お気に入り”は選べません!(観る順番が逆だった)
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