チャンミ

ナラタージュのチャンミのレビュー・感想・評価

ナラタージュ(2017年製作の映画)
2.9
劇中の大学生劇団らしき若者たちの作品で女装の男が笑いのネタになってたのは、原作にもあったのか映画化の際の脚本によるものかわからないけど、さらりと挿入されていて不用意に過ぎるとおもった。
男から女への接触が、やすやすと行えていたり、暴力的に見えたりする箇所がけっこうあって気になったけど、20歳そこそこの恋愛関係ってそんなものなの?
そんなDV気味な小野くんの不穏さを奥二重の襞で演じた坂口健太郎は拾い物だった。
「こいつクズやな」とおもう人けっこういそうだけど、意外とこういう自尊心低めで相手を信頼できず、形のない愛に振り回されるタイプで、小野くんくらいのことやってる人ごろごろいるし、受け入れてる人もごろごろいるから、小野くんをどう見てるかでなんらかの踏み絵になりそう(他人ごとで「クズ」と切って捨てられる人はちょっと危ういとおもう)。、
あ、あと、演劇部の『夏の夜の夢』が信じられないほどつまらなさそうで(4シーンくらいが使われていた)、葉山先生はあんまり良い演出家ではないんだとおもう。
原作がどういう意図でこの戯曲を演じる場面を挿れているのかは不明なんだけど、映画は、テーマと呼応するような力にも、葉山先生、工藤さん、小野くんの三角関係になにか影響したり柚子の葛藤をうかがわせる装置にも、なり得てなかった。

葉山先生と言えば、男性の先生が女子生徒に入れ込むかんじは学校的に大丈夫!? とおもえた、特に映画版は2009-10年ごろが工藤さんの卒業時期だろうから、先生側もアウトにならないようにもうちょい気遣うんじゃないかな……。

あ、あと富山県の11月なかばって、ニットに膝丈スカート素足で過ごせるの!? 寒そうなシーンけっこうあったなー。
京都の小野くん実家のかんじは良かったな。
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