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22年目の告白 私が殺人犯ですのyumeayuのレビュー・感想・評価

3.5
ソネ様スタンプ!www草不可避

「藁の盾」や「DEATH NOTE」を彷彿させるセルフオマージュのような藤原竜也の演技。
彼のオーバー気味の演技は、こういうカリスマ性のあるキャラクターが一番ぴったり合う。
何よりゲスさがたまらない。「こいつマジムカつくわー」と思わせる演技をさせたら超一流だと思う。

伊藤英明も仲村トオルもどっかで見たような気がするベタな配役だったので意外性はなかったけど、野村周平や竜星涼など脇を固める若手俳優の演技が思いのほか良くて、こちらは新鮮でよかった!

オープニングのアナログ放送っぽいザラついた映像は、90年代の世紀末っぽい混沌とした雰囲気とノスタルジーを感じさせる。

震災や時効の法改正など、過去の事件や出来事を織り交ぜたストーリー展開だったので、当時を知っている身としてはすごくリアリティがあった。
変に嘘くさいアクション(カーチェイスや銃撃戦)が無いのも好印象。テンポのいい前半から中盤にかけては文句なし!

しかし、謎が解明される終盤はやや尻すぼみ。
牧村刑事が急にプロファイリングみたいな事言い出すし、真犯人の動機もイマイチ。なんか無理があるように感じてしまった。
曾根崎の正体についてもそんなに上手くいくか⁉︎ と思ったけど、よく考えたら原作が韓国ってことを思い出して、こちらは妙に納得。

あれだけ世間を騒がせたのに、ラストが事件の当事者同士のこじんまりとした展開だったのは残念。
伏線の回収にしても、欲を言えばもうちょいビシッと決まるカタルシスが欲しかったところ。
せっかくカメラクルーがいたのだから、途中の生放送のシーンのように、事の顛末をメディアを通じて視聴者も見ているような展開のほうが盛り上がった気がする。

それでも近年、邦画ではこのスケールのエンタメ・サスペンス映画があまり作られなかったのを考えると、かなり健闘していたと思う。
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