k

ギフト 僕がきみに残せるもののkのレビュー・感想・評価

5.0
お涙頂戴なんて言葉があるけど、この映画には私のお涙受け取ってほしい…。

もちろん俗に言う"お涙頂戴映画"ではない。愛を心で感じることができ、そうなると人は自然に涙が出るということを教えてくれる作品。好きとか嫌いとかで評価しがたい尊さに満ちてる。

"人は悲しい物語だと言うだろう、でもそれだけじゃない"って。
確かに心臓をすごい強さでねじられるかのように苦しくなるけど、それよりも観ている私の心が軽くなる方が少し勝っていた。人生をより良いものにするヒントが詰まっている。制作陣も後者にフォーカスを当てているだろうと思う。

息子にできることは全てしてあげたいという思いから、ビデオを撮り始める。これがまた私に話しかけてくれている感覚になれるんだなぁ。そして自分の父親との関係性や愛情も重ねずにはいられないんだなぁ。(それであれこれ考えてヒンヒン泣いちゃう)
で、そう、息子の名前はリヴァース。炎は木が燃えて生まれる、その木は川の水を栄養にして育つ。
だから僕の源は君だ、って。
リヴァース。ええ名前やわ…ほんま…。ほんでまた可愛い。笑

ALSとスティーブさんが診断されてから、あらゆる感情を彼らと分かち合うような心持ちでいられた。妻のミシェルさんもしたたかでユーモアに溢れてて素直な、魅力に溢れた人。彼女の表情は心がそのまま表れてて、自然とつられる。
スティーブさんはほんまに強すぎるぐらいやのに、辛さを抑え切られへん場面もところどころあって(ミシェルさんも)、"健康でいられることはありがたい"というよりも"病はどんなに強い人をも脅かすほど恐ろしい"ということを思い知った。
どんなに辛くても生き続けることを選ぶスティーブさん。介護の中で絵を書くようになったミシェルさん。

彼らの人生から人間らしさは奪えない。人間でいることの意志の強さ。

私も人間らしく生きることに全力を尽くそうと改めて決心しました。つまずいたり、辛くなったり、もし自分が親として生きていくことになったりなど、人生の小さな出来事から大きな出来事まで、この作品が共にあってくれたら私は私でいられると思います。

何より彼が立ち上げた財団チーム・グリーソンについて知るキッカケになったのもほんまに大きい。不治の病と言わているけど"白旗は掲げない"、治る病にしていくために確実に偉業を成し遂げてらっしゃる。
知る必要がある、寄付をすることで力になれる。
k

k