gisujun

サバイバルファミリーのgisujunのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
4.0
電気や自動車、水道すら使用不可能。リトル・フォレストの愛ちゃん以外は大パニックになるディストピア映画ですが「人が死ぬ」というキツイ描写は一切無く、どの年齢も鑑賞可能な映画ではあるが、背景にはどれだけの人が亡くなったであろう残酷な世界を、矢口史靖監督が優しくも厳しい視点で描かれる心温まる映画でした。

前半、特にお父さんが全く良いところが無く、行動が全て裏目に出てしまい家族が悪い方向に行くのですが、ある時お父さんが豚を発見するのです。「俺がやらなきゃ」と意を決したお父さんに、お母さんが自然と延長ケーブルを手渡すシーンが素晴らしくこのシーンは何度も観ちゃいました。

この映画で考え深いのは「最初は余裕、何とかなるだろ」なんですが「何とかならなくなるかも」となった時の人々の行動が各々違うところで、早々に都会を脱出する者、そういう時こそ団結力を高めようと留まる者だったりと、集団から個別に行動するようになるのですが、僕ならどうするんだろう?と色々考えてしまいます。あとお父さんの自転車を若い男性が本人を目の前なのにギリギリまで自転車を奪おうとしてるシーンは地味に怖かったです。ああいう状況になるとヤバいですよね。
gisujun

gisujun