矢口監督だから、コメディーかなと思って見始めたら、
良い意味で足元すくわれましたね。
ハリウッド映画によくある、
突然、何の説明もなく、非日常の世界に叩き込まれた主人公たちが、果たしてどうするのか? ジャンルの作品でした。
この作品の非日常はある日突然、この世界から電力が喪失する。
なので、前半はSFデザスタームービーの様で、
結構、イヤ、かなり怖かったです。
この類の、
もし、世界がこうなったら的な設定は、
自分だったらどうするだろう?
と考えた時点で、
すでに作品に感情移入しているワケで、
例えば、江戸時代の人だったら、なんてコトないんだろうな、
なんて考えながら観ている時点で、
もう結構、楽しんでいると云うコトですよね。
主人公の小日向さん演じるお父さんが全然活躍出来ないのが良いですね。
ハリウッド映画だったら、多分、お父さん、大活躍でしょうから。
私も含めた多くの人は多分小日向さんと同じなんだろうなあ、
と随分と共感できました。
だからこそ、怖かったんですが。
ロードムービーになってからの展開はさらに楽しめました。
基本、良い人しか出てこないのですが、
日本だったらあながち間違ってないなと思いましたよ。
時任三郎さん一家とのエピソードと、
大地康雄さんのエピソードが印象的でした。
ラストもバラバラだった家族が困難を克服して、心を通わせると云う王道のパターンでしたが、
この作品にはもっともふさわしいとも思いました。
3月11日を忘れないためにもこう云う作品は今後常に必要な気がします。