ベッドフォンで没入体感した。
まさに耳で感じる映画だった。
アカデミー賞で作品、主演男優、助演男優など6部門にノミネートされて見事、編集賞と音響賞の2部門を受賞。
爆音、騒音、無音、微弱音、自然音、人工音。サウンドデザインが凄すぎる。
リズ・アーメッドが主演を務め、聴覚を失ったドラマーの青年の葛藤を描いている。
ドラマーのルーベンは恋人ルーとバンドを組み、トレーラーハウスで各地を巡りながらライブをしているが、ある日、彼の耳がほとんど聞こえなくなってしまう。
医師から回復の見込みはないと告げられ自暴自棄に陥るが、ルーに勧められ、ろう者の支援コミュニティへの参加を決意する。
彼女のルー役のオリビア・クックも良いが、支援コミュニティを運営するリハビリ施設の先生役のポール・レイシーが素晴らしい。アカデミー助演男優賞ノミネートも納得。
彼は実際にも、両親が完全に耳が聞こえない人だったらしく子供の頃から手話ができて唇も読めるから、演技を超えたリアルさがあった。深い人間味がまさにジワっと滲み出ていた。
そして主演のルーベンを演じたリズアーメッドの目の表情が素晴らしい。絶望の淵から自身を見つけていくまで、深い葛藤ともがきを繊細に演じきっている。
彼は施設での子供たちとの交流も交え、聴こえなくても味わえる豊かさと心の静寂を見つけていく。
でもやっぱり戻りたくなる元の世界。
一縷の望みをかけて人工内耳っていうマイクロホンみたいなものを頭蓋骨の内側の耳の一番奥のところに直接入れて聞こえるようにする手術を受けようとするが、、
後半は音にやられました。
苦しい。切ない。そして。。
まさに、音、が主役の映画。
改めて自分自身が耳が聴こえることの奇跡を感じた。
それと共に静寂の幸せも垣間見た気がする。
本作は一言。
アマプラで配信してますが、
絶対にヘッドフォンで体感する映画!