オロゴン

荒野にてのオロゴンのレビュー・感想・評価

荒野にて(2017年製作の映画)
4.1
面白かったです。

距離も時間も長くとって見せることの多いこの映画の最初の顔と顔の切り替えしが馬と少年です。
その馬と少年のロマンチックな出会いの印象と対照的に、両者の決定的な別れは作り込まれた1ショットでショッキングに見せきります。
素晴らしいです。

少年が馬に乗るのではなく馬を連れて逃げ続ける映画

父親が襲われた日のパトカーの光の明滅、父親の死を聞かされた日に後ろで走る救急車のサイレンと光、馬の事故の後やってきたパトカーのヘッドライト
夜、社会システムが生み出す強い光の中から少年は夜の闇へ走り去って逃げることを繰り返します。
当然、日中に逃げ場はなく昼は人と会います。

映画は朝、少年が道を走ることから始まりますが、同じように朝道を走ることで終わります。
逃げることを繰り返しながらショッキングな経験をいくつもしてきた少年は最後には安住できそうにも思える地にたどり着きますが、そこから先は分かりません。
オロゴン

オロゴン