贅の限りを尽した豪華絢爛な宮廷で、
栄華の頂点に君臨する王家の一族。
絶対の権力を握る王、気品あふれる王妃、
真面目で心優しい皇太子、父に武力を見込まれた第二王子、
そしてまだあどけなさの残る第三王子――。
黄金の舞台の裏側では、それぞれが秘密を抱えていた。
張り巡らされた策謀に
殺意を抱きあう凄まじいまでの人間模様…
絡み合う愛憎は、いくつもの悲劇を生み、
やがて国を揺るがすまでの壮絶な惨劇を引き起こす。
唐の王室を舞台に、王と王妃、王子たちをめぐる
愛憎劇を壮大なスケールで描く。
―――というのが解説の引用な訳ですが・・・
物語的には京劇っぽい感じがあり
多少なり悲劇ではありますが普通に見れました。
しかしどうしても最後に望みを持ちながら見てしまうため
最後の最後まで「どうなるんだ?!」というか
「こうなって欲しい」という気持ちも生まれたりして
絶望にも似た奇妙なハラハラ感が維持されました。
そしてとにかく人間関係が嘘のように入り組んでいて
これはいつの昼ドラか?!と言いたい程の入り混みよう
けれどそういった人間関係も逆に魅力の1つ
ただ・・・やはり京劇的なのか、途中で筋が独特で
解釈不能でこっちがビックリさせられたり、
説明不足に感じたりの点もあるので謎と混乱がある。
ツッコミたくて仕方ないシーンも多々あれど
最後は次男の強さに趙雲+関羽+馬超を髣髴とさせる。
前半にアクションを殆ど持ってこなかった分、最後に凝縮!
むしろグロテスクな表現が多く含まれてると思う
とにかく紫禁城ならでは残忍で残虐なシーンがあります。
・・・それらを通り越して、何事もなかったかのような
菊の花の再配置はより一層の絶望を感じさせました。
特に菊の華の意味を読み解くと更に絶望感が見える。
日本では菊は天皇印だとか、死に花だったりしますが
この場合は違って「遅咲きの菊」を自身に例えていて
他の華が咲いている時は自分はまだ咲いてないが
自分が遅く咲き乱れる頃、他の花を全て枯らせてくれる!
『満城ことごとく帯ぶ黄金の甲』
単純に菊が王妃が元居た国の紋章なのかと思ってましたが
意味合いは全く違うことを知って更に深みが増しました。
時代背景や中国独特話の由来などが日本と違う為
ちゃんと理解するのは2回見たい所。でも面白かったです。
物語には簡単に入り込めて抜け出せない面白さがあります!
でもそれぞれが持つ秘密をどうして知ったのか等
ちょっと分かりにくい点もあったので☆4つかな?
長男は薬のことを知っていての発言だったのかな・・・とか。
知ってたなら、いつソレを知ったのかな?とか・・・。
けれど実際の史実を元にした物語らしいので
事前にもっと人物や背景を理解して見れば
面白さは5つ星に匹敵しそうな程、奥は深いです。