すべてがアメリカ。一点の曇りもなくアメリカだった。2022年に見ても、当時のスタイルや音楽、勢いが生き生きと感じられ、十分物語に引き込まれる。
むしろ80年代のオマージュや再現とかでない分、これがリアルなんだろう。バックトゥーザ・フューチャー後の作品らしいが、学園もので、雰囲気は近いものがある。
ウルフというかほぼチューバッカ。どちらかといえば、猿。西遊記の孫悟空に近いビジュアルだった。
部活にパーティ、友達、お色気、幼なじみとの恋、家族、先生と見ていて、全部がスッと入ってくる。
ただ、これは完全に男目線の映画。当時の男性はオレも楽屋でケモノになりてぇと体を熱くしたことだろう。そして、それは令和の日本でもまだそう思わせ、普遍的な欲望だと気付かされる。
主人公の性格もよく、うじうじ悩んだり、ハメを外して誰かを傷つけたりして、イライラさせられることもない。92分なので、さらっと終わるのもいい。これ以上伸ばしたらきっと間延びしたと思う。
アメリカらしい間違いなくジェロでつくったであろう原色ゼリーの正しい使い方を学べた点は大きな収穫だ。