稀

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険の稀のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ドラえもんの映画にはいつも何度でも失望させられてきた。今作もタイトルがいかにも子供向けだし、メインビジュアルに旧作のオマージュらしき動物がいるしで、正直ほとんど期待していなかった。が、見ていくうちに居住まいを直した。
目的地である古代遺跡までの道のりが険しく、遠くまで冒険に来たことが伝わってくる。科学技術の発展により地球上にロマンは残っていないと思っていたけど、ここまで遠い場所ならあるいはと思わせてくれる。
前半はただの日常にしてはレイアウトが凝りすぎに感じていたが、アクションシーンになったら迫力を存分に楽しめるようになった。ゲストキャラのカーラがかわいいし、ボムプリンで変顔も見せてくれる。静ちゃんのシャワーシーンは割愛されていたのはコンプライアンスか。
ドラマ性は雑で子供だまし感があったけど、南極という舞台を時間と距離のモチーフにして壮大なSFにしてくれたのは大満足。途中まで宇宙開拓史のオマージュはただのサービスかと思っていたら、ラストでコーヤコーヤ星の雪の花に結びつけており、作り手のドラえもん愛を感じた。原作でさえこのエピソードには唐突感があったので回収されてよかった。
他の新劇ドラも見たくなったし、この監督の作品には今後注目していきたい。
稀