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チコタン ぼくのおよめさんのjnkのレビュー・感想・評価

3.8
関西出身の皆さんにはお馴染みの、お馴染みというかほぼ忘れる事が不可能なレベルで合唱の練習させられるチコタンの短編アニメ映画化。
自分は小学校でも中学校でも高校でもチコタン合唱やった黄金世代で、アンチ交通事故のルドヴィコ療法としては大変効果があったと思うけど、この映画一回見たら済む話やんと思うぐらいクウォリティの高いアニメだと思う。

そもそも一曲として扱うのが無理あるぐらいのイかれた転調を繰り返す歌を見事に映像にしてて、それぞれの章でテーマとなる感情が完璧に表現されている。
一章で訪れる驚愕の結末とかどうすんのかなと思ったけどモロ見せしてて笑った。
合唱の練習でもあのシーンは爆笑で、先生は真面目な歌なのに笑うなと怒るけどあそこで笑ってないと後半が活きないんで、あそこを上手く処理した時点で成功だと思う。

思えばチコタンは一途な片思い、失恋、妄想、親との確執、努力、青春、殺人、フーダニット、カニバリズムと映画化に向いた要素が詰まった歌だけど、よくこの変な歌の変さを超えたアニメを作れたなと感心する。
歌はそのまま流れてるから話は変わらないはずだけど、演出によってその後の展開も暗示するような新しい恐怖も生み出してるし、怖がらせるのが目的の作品としてこれ以上は考え難い。
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