jnk

嘘喰いのjnkのレビュー・感想・評価

嘘喰い(2022年製作の映画)
2.8
ギャンブルの現場には暴力があるという嘘喰いの設定はリアルだしギャンブル作品における同じ絵面と心の声のシーンに終始する問題を解決していて、映画向きでもあるはずだった。でもまあやっぱりというかアクションはしょぼく、ギャンブルも面白い要素を狙ったように外す改変が行われており、大変辛い。
子供の遊びみたいなゲームを命懸けで大仰にやるというのも嘘喰いの醍醐味だけど、映画では本気で幼稚なものにしか見えなかった。
また、原作は非常に長いスパンで周到な伏線を張っていて、この伏線というのが単なる思わせぶりでなく、真意を上手く隠しつつしっかり読者の記憶に残るシーンにしているところが上手いところで、主人公意外の登場人物同様に読者にも最初からそんな仕掛けをしていたのかと興奮させてくれる。これが映画では思わせぶりに誰にでもわかるように撮ってしまっており、これでは主人公の最強ぶりも弱く見えてしまう。
原作通りにやっているところでも、見開きになるような名場面をあっさり流していたり、何をやりたかったのかが本当に謎。

役者は良いし、娯楽映画としてそこまで悪いものとは思わんけど、演出と脚本が大いに足を引っ張っている。
改変をするならアクション控え目な1つのゲームに絞って、2時間の中で上手く伏線を張るやり方しかないのでは。
やたらとデスゲームだの負けたら即死だのと宣伝で言っていたのでエアポーカーかハンカチ落としがおすすめ。どちらも長期連載であることを活かした壮大な仕掛けがあるゲームだけど、実写でやれば本当の意味で死と隣り合わせのギャンブルというのを表現出来るし、これは同じ絵面が2時間続いてもエキサイティングなものになると思う。
jnk

jnk