ノラネコの呑んで観るシネマ

関ヶ原のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
4.0
久しぶりにスケールの大きな合戦もので、なかなか面白かった。
しかしこれ、少なくとも関ヶ原合戦の顛末とそこに至るまでのある程度の流れを知らないと、誰と誰が戦ってるのかも含めて何が起こってるのか全く把握出来ないと思う。
ナレーションはあるがほぼ心情捕捉だけだし、いわば説明をすっ飛ばした大河ドラマダイジェストを観るが如く。
物凄く早いテンポと膨大な台詞は、「日本のいちばん長い日」と共通するスタイルだが、詰め込まれた情報量がケタ違いに多い。
原作既読者や戦国史好きは大丈夫でも、詳しく無い人はざっくりと予習が必要。
ボリュームを考えると、これこそ前後篇にした方が良かったのではないか。
構造上どうしても人間ドラマは薄味になるが、初芽とのプラトニックラブを三成の感情的なバックボーンにしたのは良かったと思う。
その分、彼の大義の部分は相対的に弱いけど。
久しぶりに、司馬遼太郎の原作を読み返したくなった。
台詞が聞き取り難いと聞いていたが、そこはそんな気にならなかった。
滑舌と言うより、現代人には耳慣れない古い言葉が多いからでは?
ただ、島津衆の鹿児島弁は、何言ってるのか全然分からんかったよw
まあ分からんでも良い部分だけど。