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VR ミッション:25のKUBOのレビュー・感想・評価

VR ミッション:25(2015年製作の映画)
3.2
11月1本目の試写会は「VR ミッション:25」。原題は「The Call Up」で「電話をかける」のかと思ったら「軍隊に召集される」っていう意味もあるんですね。

この映画、低予算なのにおもしろい! キャストも誰も知ってる人いないし、撮影場所もビルの中だけだし、でも企画と脚本の良さで十分おもしろい作品になっている。

ある日、ネットゲームのランキング上位者に賞金10万ドルの触れ込みで最新VRゲームの大会の招待状が届く。あるビルの一室に集められた8人の男女はリアルな戦闘服と武器を装備して、ビル全体をVR空間に見立てた戦闘ゲームの世界に入っていくが…。

私の息子もよくやっているネットを使ったFPSの戦争ゲーム。米軍が実際の戦争で人を殺すことに抵抗がなくなるように推奨してるとか、そういうゲームを置いてあるゲームセンターで新兵をリクルートするとか、いろんな話があるけれど、ゲームのデバイスがコントローラーじゃなく実際に手に持った銃やナイフに変わった途端、殺すことに罪悪感や抵抗を感じるようになるあたり、すぐにこのレベルのVRゲームは開発されそうなだけに、興味深い。

米兵が全員に復唱するように言う「I like to kill shit!」というセリフも恐ろしい。おそらくベトナムでもイラクでもアフガニスタンでも言っていたのだろう。

ゲーム参加者は最初のうちこそリアルなVRに喜んでいるが、痛みまでリアルに感じるゲームを、ビルに閉じ込められリセットもポーズもできない状態で進めることを余儀なくされ、ついには死者が出てしまう。このゲームの目的は? ゲームをクリアーして生き残ることはできるのか?

最後のオチだけはもう一捻りできたんじゃないかと思うけど、ホント低予算でここまで作った。90分と言う時間も潔い。おもしろかったよ!
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