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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのKUBOのレビュー・感想・評価

3.6
「キネマ旬報ベスト・テン第1位映画鑑賞会と表彰式」にて「日本映画作品賞」として鑑賞。

看護師の美香(石橋静河)は、病院で日々「死」に直面している。そして自分の「生」を確かめるためにかガールズバーで働いたりもする。

工事現場で日雇いの仕事をする慎二(池松壮亮)も、友人や隣人を突然の死で失い、「死」にとらわれ「生」を謳歌することができずにいる。

生活することに汲々として、明日の夢も描くことができない若者たち。バブルを生きた我々の青春とは180度異なる。息苦しいほどの閉塞感を、若き監督石井裕也はフィルムに焼き付ける。

表彰式に立った大林宣彦が本作をして、良い意味で「アマチュアのような作品」と称した。映画会社に縛られ、商業映画を作り続けるプロ映画監督ではなく、本当に芸術的な作品、本当に作りたい作品は「アマチュア」でしか作れない、と。

本当に不器用なこの2人は、ちゃんと愛し合えるのかな? 淡い希望が見えるラストが優しい。

日本映画作品賞第1位、日本映画脚本賞(石井裕也)、新人女優賞(石橋静河)、受賞
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