R

ウエストワールドのRのネタバレレビュー・内容・結末

ウエストワールド(1973年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1973年のアメリカの作品。

監督は「コーマ」のマイケル・クライトン。

あらすじ

砂漠に観察された巨大遊園地「デロス」。そこはアメリカ西部開拓時代、中世ヨーロッパ、帝政ローマ、3つの世界を体験できる夢のテーマパーク。そこにシカゴで弁護士を営むピーター(リチャード・ベンジャミン「ヘンリー・プールはここにいる〜壁の神様〜」)が友人でデロスを既に体験済みのジョン(ジェームズ・ブローリン「バズ・ライトイヤー」)と遊びにやってくる。2人は西部開拓時代の世界を選び、満喫するが、やがて観客に危害を加えないはずのロボットが故障したことをきっかけに観客たちに襲いかかりはじめる。

U-NEXTにて。今作を観る前にHBOのドラマシリーズの何話かを鑑賞していて、そこで本作の存在を知ったので気になってようやく鑑賞。

いや、しかし製作が1973年にして、この発想は物凄い。最新科学で作られたテーマパーク、要は「仮想現実」というわけで、言わずもがな現代の映画だけでなく、ゲームや小説、ことフィクションにおいてこのテーマは切っても切り離せない存在であり、それをテーマにした作品も数多く存在している。それを1973年という俺が生まれるずっと前に一本の映画として作っちゃうわけだから…先鋭的だよなぁ。

しかも、今作の監督のマイケル・クライトン。このアイデアに着想を経て作ったのが、あの「ジュラシック・パーク」というから、更に驚き。

で、本作、まず実際に観て意外だったのがタイトルである「ウエストワールド」以外にも中世ヨーロッパと帝政ローマの時代の世界も堪能できるという点。まぁ、ぶっちゃけそんなの西部劇の時代一択に思えるが、その代わりに帝政ローマでは女の子とイチャコラできる…ってそれイメクラやんけ笑!!

で、そんな中主人公たちはまぁ当然西部開拓時代を選ぶわけなんだけど、まぁテーマパークなもんで一端のガンマンファッションに身を包んだ後は、あの「荒野の七人」で印象的な主役を演じたユル・ブリンナー(「ユル・ブリンナーの殺人ライセンス」)に喧嘩を売られても難なく返り討ちにしちゃうし、突如酒場で勃発した喧嘩にも意気揚々と参加して的をコテンパンにのしてしまう。また、娼婦(ロボット)相手にワンナイトラブもできちゃう、まさに夢の生活!!

いや、これは病みつきになるだろうなぁ。

初めは初体験のピーターは恐る恐るという感じなんだけど、徐々に世界に染まっていき、最終的にはめっちゃいきっとる笑。まぁ、わかるなぁ。

ただ、そんな夢の生活は長くは続かない。経営を続けるため、メンテナンスが追いつかず、ちょっとした「故障」が多発するテーマパークの中で、遂にロボットたちの安全リミッターが外れて観客たちに襲いかかるのだ!

特に上述のユル・ブリンナーがものすごく恐ろしくて、デフォルトで「荒野の七人」よろしく全身黒コーデのガンマンファッションでただモンじゃない感じを醸し出しているんだけど、執拗にピーターたちの前に現れて、遂に余裕綽々のジョンを撃ち殺した後は逃げるピーターを無表情で追っかける、追っかける。

スキンヘッドで端正な顔立ちながら無表情で追いかけてくるので、その姿はさながらターミネーターのようで、そんな奴が追いかけてくるってだけでめちゃくちゃ恐ろしいよなぁ。

で、そんなピーター、頼れるジョンが早々に射殺されてしまったのでガクブルかと思いきや、そこは主人公。唯一の生き残りとしてユル・ブリンナーと対峙することになるんだよなぁ。

ただ、相手はユル・ブリンナーなので弱点である酸を顔にかけられても、あんまり食らってないし、極め付けはようやくぶっ倒したと思ったら黒焦げで顔面無くした状態からになってまで襲い掛かろうとするので、もはやホラーだよ。

ただ、そこに至るまでが世界観を見せたいのかわからんけど、やや間伸びしていて、ようやくその牙をむくのが後半40分。うーん、どうせだったら世界観を見せるのはそこそこにしてロボットたちの反乱をもっと観たかったなぁ。あとは世界がせっかく3つもあるのにそこらへんも上手く絡めなかったのは少々残念だったかな。

ただ、ラスト、ユル・ブリンナーとの死闘を経て、精魂尽き果ててただ虚空を見つめるピーターの顔はもはや、パークに来る前のあのワクワクした顔はどこにもない。この無常な感じ印象的だなぁ。

そんな感じで今の映画に慣れていると少々退屈な時間はあるもののユルのブリンナーの恐ろしさとそのアイデア1発でお釣りが来るような非常に今らしい作品でありました!
R

R