このレビューはネタバレを含みます
はて、フィクションだと片付けて良いものかこれは。
朝鮮総監府で朝鮮人の血を押し殺しながら働いていた人がきっといた。ただ生活をするだけでも、自分の民族について想うことは、とても鬼気迫ることだったと想像する。
義烈団は水が蒸発するようにいなくなると、どこかで読んだし、そのように記憶していた。
でも、私はたぶん、なにもわかっていなかった。
そうじゃない。
もっと、ゆっくり、時間をかけて、
自分の正義や尊厳、家族、同胞、民族としての誇りを踏みにじられていったんだ。
土足で、ときには卑怯な道具や方法をちらつかせながら。
すごく、すごく長い時間がそこには流れていたんじゃないか。
それを私は、ゆっくりと消えていったと記憶していた。それが恥ずかしくてならない。
映画として駆け引きや緊張感があって面白いけど、そんなのどうでもいい。
たとえこの映画の8割がフィクションでも、すべてがフィクションではない。
その、フィクションの中に潜む真実を、かがんで拾い上げたい。
日本人の血を持つ人間として、想像しなければならない。
頭から血が出るくらい考えなきゃならない。
申し訳ないことをしたと思って、
息ができない瞬間があった。
永遠に許されなくてもいいから、
忘れないでいようか。
(ある人たちからすれば、私の抱いた感情が異常なモノにみえるかもしれない)