YasujiOshiba

GODZILLA 怪獣惑星のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)
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備忘のために

- 脚本・原案の虚淵玄は『PSYCHO-PASS』の人なのか。なるほど、恒星間移民船の閉鎖空間の描写に、同じような匂いがするかな。そういえば話題になってた『魔法少女まどか☆マギカ』もこの人が脚本なんだよね。

- こういうラストにしちゃっていいのかねと、一瞬考え込んだのだけど、エンドクレジットが終わってから謎が解けた。なるほどね。でもまあ、たとえ続編があるとしても、こういう終わり方も悪くない。むしろ、これが本来のあるべきゴジラのイメージなんだと、一瞬だけど、感じさせてくれた。

- ネットフリックスが1月17日に公開したというのは、それにしても意味深だよね。今年は阪神淡路大震災から23年。恒星間移民船もまた宇宙を旅して20年という設定だから、あきらかに意識してるわけだ。

- あれから20年の物語で、主人公が24歳の設定というのは、なるほどうまく考えられている。アレが起こったとき、4歳というのは脳がエピソード記憶をはじめる年齢とほぼ一致している。それ以前だと覚えてないし、それ以降だと、いろいろと物心がついて記憶の(あるいはトラウマの)純粋さが損なわれるということなのかもしれない。

- かつてゴジラが、あの敗戦の影として登場したとするならば、このゴジラは震災とオーム事件の影なのかもしれない。なにしろ、黙示録的な世界観を教義としていたのは、ほかならぬオーム教団だったのだから。

- 制作のポリゴン・ピクチャーズは注目しておかないとね。アニメはもはやCGが当たり前だけど、手書きの感触をなかなか超えられなかったんだよね。それがここのところどんどん進化して、手書きの感触の残る三次元のモデルをコンピュータで描くことができるようになってきたわけだ。でもまあ、はっきり言って、どれだけ自然な動きを計算しても、まだまだぼくらの感覚に違和感をのこさない表出への道は遠い。手書きのアニメの質感とは違ってもかまわないから、独自の質感を作り出すまでには、これから試行錯誤があるんだろうなと思いながら、ぼくとしてはこの作品も結構楽しませてもらいました。
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