YasujiOshiba

パリ・ルーヴル美術館の秘密のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

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銀座ル・ステュディオ。24-59。ユミさんと。昨日の誕生パーティの疲れもあったのだろう。始まってすぐに瞼が重くなる。それでも暗い通路を通りながら、あの『ガブリエル・デストレとその妹』の部分に懐中電灯が当てられるのを見ながら、夢の中に引き摺り込まれる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ガブリエル・デストレとその妹

それでもはっと目覚めれば、美術作品ではなく、美術作品を扱う人々と美術館という、いわばひとつの都市のなか。そうか、だから原題は「La ville Louvre」(ルーブルという街)なのだ。

そんな街を維持している人々の姿を追いながら、決して見ることがないのは美術館の入場者。意識はされているのだけれど、画面には不在。それから美術館の経営状態。入場料だけで運営できるはずがない。国費が注ぎ込まれているからこそ、この「ルーブルという街」は生きている。

はて、ぼくらが住んでいる国にもこのような街がまだあるのだろうか。かつてはあった気がするけれど、まだあるのか。まだ維持されるのか。美術館、図書館、大学などの街が息づいているのをみる心地よさは、それらが失われつつある時代、たとえば「イランがイスラエル報復攻撃、200超の無人機とミサイル 安保理開催へ」というニュースをみるような時代)にあっては、なんだかひどく逆説的で、ただ悲しさを際立たせるもののように見えてしまう。それも映画なのだけど...

眠ったところはYTで確認できそうだ。イタリア語字幕版(La città Louvre )がアップされている。

https://www.youtube.com/watch?v=72VIVp3_wF4
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