Ryoko

トンネル 闇に鎖(とざ)された男のRyokoのレビュー・感想・評価

4.0
「最後まで行く」のキム・ソンフン監督作。崩落したトンネルの中に一人取り残された主人公( ハ・ジョンウ)と彼を救い出そうとする救助隊の隊長(オ・ダルス)、妻(ぺ・ドゥナ)のやり取りを中心とした密室劇。
2次被害を予感させる轟音、埃くささ、喉の渇きや体力の消耗、少しずつなくなるスマホのバッテリーなど見ているこちらも挫けてしまいそうな状況。オ・ダルスが施す1日でも長く生き永らえるためのアドバイスは結構参考になる。
大きく崩れたトンネルの中に取り残された「一人の命」。どこにいるかわからずどうやって救い出したら良いかもわからないたった一人の命か?一人を救うためにかけられる労力と経費か?残酷な話ではあるが、この2つが天秤に掛けられる。人命救助に対しての行政の感覚のズレがズバッと指摘されている。
ハ・ジョンウの絶妙に表情を変化させる演技が細やか。オ・ダルスの熱さにも心打たれます。
Ryoko

Ryoko