Koshii

アシュラのKoshiiのレビュー・感想・評価

アシュラ(2016年製作の映画)
4.1
賄賂、手回し、脅迫、買収、殺人、、

真っ黒に染まった都市『アンナム』を舞台に繰り広げられるバイオレンス・クライム・アクション!!

己が利益の為なら全てを裏で捻りつぶす市長パク・ソンべ。

成果を上げる為なら、悪人さえ利用する検事キム・チャイン。

愛妻のために市長に身を売り、悪に染まった刑事ハン・ドギュン。

水面下で進んでいた彼らの攻防は、次第に膨張し、息を呑むクライマックスへと加速する!!

ここまで読んで下さった方、一度予告だけでも観て頂きたいです!


以下、ネタバレを含みます。












まず、パク・ソンべ役のファン・ジョンミンの怪演っぷりが、鬼気迫り過ぎて圧巻でした。作中、「絶対、信じてはいけない目だ」とあったように、彼の目は正に底知れない悪意に満ちていました。彼の饒舌なトークと、あの笑顔で「自分の犬」へと洗脳し、少しずつ配下に収めていく様は恐怖でした。浮いてきた杭を躊躇なく打ち下ろす姿も、もはや独裁者として才能を評価するしかなく、素晴らしいキャラクターでした。

そんなソンべと悪徳検事のキム・チャインに弱みを握られ、板挟みにされるドギュンなのですが、ドギュンの狂気こそが阿修羅そのものであり、見応えのあるクライムアクションを盛り上げていました。中でも、カーチェイスのシーンと、ソンべの目の前でグラスを噛み砕くシーンはもはや人間ではなく、その異常っぷりに痺れました。

なんというか、開幕から何でもありの腐り切った世界観なのですが、ドギュンなりの正義が、毒を持って毒を制すといった形で貫かれており、とても爽快でした。

ブレーキを踏まないといけないところで、アクセルを全開にできる狂気に満ちた人。悪に染まり切っていながらも、自らの信念を曲げずに正義を貫こうとするところ。

ドギュンのそういうところがとても魅力的で、ラストでソンべの脳天に弾丸を打ち込むシーンでは得も言えぬカタルシスを感じました!



やっぱり韓国映画は面白い!!!
Koshii

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