言論や表現の自由が成り立つ前提にあるものを改めて考える作品。
ナチスによる大量虐殺を否定する歴史家が、陰謀論を否定する歴史家を名誉毀損で訴える裁判の模様。
個人の考えに基づく主張は事実の捏造と言えるのか、という裁判長の投げかけにヒヤリとする。
イギリスでは名誉毀損の裁判は、被告側に立証責任があるという驚き。そして、法廷弁護士と裁判の戦略を練る弁護士の分業も独特。(そして、アメリカ人の被告が、法廷で一礼をしないのにはびっくり)
感情論に訴えかけるのではなく、人々の曖昧な記憶ではなく、ましてや被告に主張させるわけでもなく、歴史家の如く事実を積み上げ、原告の主張のおかしさをつく弁護団のチームワークがよかった。
使い捨てのコップで飲むワインって、なんかいい。