makiさんの映画レビュー・感想・評価

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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.8

自分の目が節穴すぎて、びっくり。
わりとふわっと全体見つつ、どうしてもキートンに視線が集中してしまっているからなのか、すっかり、キント役がケヴィン・スペイシーであることに最後の方まで気づかなかった…苦
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

モノや欲に溢れた世の中における、ある種の究極的な都市型ていねいな暮らし…とでもいうのだろうか。

習慣化された日々の過ごし方と、自分に本当に必要なモノやコトを大切にし、風呂や洗濯、食といった持たなくて
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.8

何気なく見始めたけど、地味に面白い。

運命じゃない人だとしても、大いに人の運命を掻き乱している。人生、人はいつも誰かの運命の一部なのだと思うと、ちょっと愛おしい。

もしもfilmarksの作品画像
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セブン(1995年製作の映画)

3.7

昔、たまたまテレビで放映されていたのをなんとなく見始めたら、グロテスクさと結末の衝撃に、個人的な苦手映画No.1として記憶にこびりついていた本作を、初めての再見。

改めて見ると、陰鬱とした映像と語ら
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スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.5

渋さの光るロバート・レッドフォードと、若さあふれるブラッド・ピットの共演。

中国で捕まった工作員のビショップを救おうとするCIA職員のミュアーと、ビショップを救わない判断をしたホワイトハウスとの心理
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インセプション(2010年製作の映画)

3.8

いやぁ、難しい…笑
人の夢に入り込みアイデアを盗むスパイが、自身の人生を賭けて、アイデアを植え付けるミッションへ。
こんなアイデア考えて映画を作ること自体に脱帽。

現実世界と夢の世界、さらに夢に階層
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.8

結末がわかっていても、交渉術にはドキドキするし、決まった時には嬉しくなる。

物心ついた時には、エアジョーダンという言葉も、マイケルジョーダンという名も、バスケを知らなくても知っていた気がする。
バス
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.7

小さな宗教コミュニティで生活する女性たちが、男性からの暴力に対し、「赦す、闘う、去る」を話し合う。

全体的に抑えたトーンや削ぎ落とされたシーンで構成されてるけれど、被害の描写がキツくて、見ていてとて
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.1

会社の問題、社会の仕組み、家族、友人関係…、いろんな歯車が少しでも噛み合わなければ、少女が死に追いやられることもなかったのではないか?と、怒りや悲しみやもどかしさが詰まっている。

ダンスが好きで、明
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Winny(2023年製作の映画)

3.7

ファイル共有ソフトwinnyの開発者、金子勇氏が著作権法違反幇助の疑いで逮捕起訴され、一審判決までを軸とした話。

技術を開発しただけで罪になるのか、著作権侵害の意図の有無を証明する法廷を舞台とした闘
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SCRAPPER/スクラッパー(2023年製作の映画)

4.2

母を亡くした12歳の少女ジョージーが、叔父と住んでいると保健局に偽って、母と過ごした家に 1人で暮らすなか、突然尋ねてきた会った記憶もない父親との関係。

2人の互いに不器用な振舞いが、次第に愛おしく
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.3

映画業界で1人のアシスタントとして働き始めてたった5週間の女性のある一日。
ジュリアガーナーのなんとも言えない演技が素晴らしい。

様々な違和感も、次第に諦め、その状況に慣れてしまうような空気感。処世
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74歳のペリカンはパンを売る(2017年製作の映画)

3.0

続けることの難しさ、そして、どんなにテクノロジーが発展しても積み重ねた時間でしか語れない、変わらないことの価値。

昭和17年創業、2-3年後から、喫茶店等への卸売業を軸に、食パンとロールパンのみ作り
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.1

性暴力への怒りや、その行為を有耶無耶にする社会の構造や風潮への徹底的な復讐劇。

重いテーマを扱いながら直接的な用語も描写も一切用いず、毒々しくてポップな画や音楽、さらに、一瞬訪れたかのような幸せ絶好
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楽園(2019年製作の映画)

3.5

誰かにとっての楽園は、皆にとってそうであるわけではなく、気候など環境がそろっても、人々の振る舞いが欠かせない。

それでも、田舎だからとか、年配だからとか、そんな簡単な属性で語っているように見えるのは
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エアフォース・ワン(1997年製作の映画)

3.6

ロシア人テロリストによってハイジャックされたアメリカの大統領専用機エアフォース・ワンを舞台に、大統領自ら文字通りテロに屈しないという宣言を貫くべく、家族や仲間を守るために戦うアクション作品。
(個人的
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

3.6

里芋って皮も食べれるのか!と、洗う道具やその道具を使いこなす力強い動きと合わせて興味深い導入。お腹が鳴るような、涎が出るような…というのとはまた違う、自分のどういう感覚が刺激されたのかよく分からないけ>>続きを読む

さいはてにて やさしい香りと待ちながら(2014年製作の映画)

3.5

物語のディテールはさておき、冷たく寂しい波の音は、家族という枠組みや世代を超えて人と人が支え合って生きていくという情景と重なると、穏やかなリズムに聞こえてくる。コーヒーの香りが伝わってくる作品でした。>>続きを読む

洋菓子店コアンドル(2010年製作の映画)

3.0

蒼井優見たさ、美味しそうなもの見たさに本作を。
人生最大の食欲の秋を迎えている私にとって、追い打ちをかけると分かりながら見つつも、やはり美味しいそうなものを見ると笑顔になる。

田舎娘を演じる蒼井優の
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.8

"純粋数学へようこそ"

突然亡くなった母の遺言に従い、見知らぬ父と兄を探すために故郷レバノンを訪れた中東系カナダ人の双子。

探し出す過程で視点を動かす構成は面白いものの、どこか冗長的にも感じてしま
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

観終えた後、感じたものの細部を確かめたくなって、また観たくなる(実際、思わず2回目回しました)。
本作のケイト・ブランシェットの凄さは、いろんなところで称賛の声を目にしていたとはいえ、本当にすごかった
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.5

最早、何でオリエント急行殺人事件のストーリーライン知ったかはわからないけれど、事件の大きな枠組みはわかっていると、事件の謎解きを楽しむのは二の次。
それでも、まともに見た記憶もないので、役に対する固有
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.0

劇場でウィリー・ウォンカの若かりし頃を描いた作品の予告編を見て、ティモシーシャラメが演じると知ったので、見たことのなかった本作を。

原作も知らず、ティム・バートン作品も見たことないので、全くの知識ゼ
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.7

飛び立つ飛行機に文字通り飛び乗り、つかまる冒頭のスリルでがっつりMIの世界に入り込む。IMFの存続危機を描くシリーズ第5弾。

レコード屋のやり取り(一瞬なのに店員?の女性が可愛くて美しい)、そしてオ
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プレイタイム(1967年製作の映画)

3.7

鉄・ガラス・コンクリートできた建築と都市、往来する大量の車、街ゆく人の服装もグレイッシュで似通った色味に溢れ、極端に整然とした反復で構成される架空のパリへとやってきたユロ氏。
中心性や象徴性を排除した
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

人は皆、誰かが作った物語の中で生きているようなものなのかもしれない。
与えられた出来事に、だんだんと引きこまれ、なぜ、どうしてと考えたり問うことを辞めてしまうと、愛する人を失う悲しみや悲惨な戦いの怖さ
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食べる女(2018年製作の映画)

3.5

"人は美味しいご飯を食べている時と愛おしいセックスをしている時が、一番暴力とか差別とか争いごとから遠くなる"

外食もいいけど、誰かの家で食べる食事に、その人の生活の質の良さが透けて見える時、心底素敵
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.9

2017年、NYタイムズによる映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラや性的暴行を報じるまでの話。

数十年におよぶ彼自身の卑劣な行為とその被害の大きさばかりが記憶に残っているけれど、
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

どこまでもアメリカ的なセンスがゴリゴリくるので、個人的な好みというレベルでは、全く好みではないけれど、ただただ、感服。
どぎついピンクもブルーも、もう辞めてくれとばかりに押し寄せてくるので、男性社会を
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

3.6

シリーズ4作目。
ここまでのシリーズの中でも一番面白かった。仲間が増え、チーム感がより増して、ロシアやらドバイやらインドやら、スケールアップ。ドバイでの、手袋がひらひら落ちていくシーンがクセになる。
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場所はいつも旅先だった(2021年製作の映画)

3.6

松浦弥太郎さんの同名エッセイ(2009年)は、学生の時に読んだ。もうずいぶん前なので、何一つ覚えてないけれど、なんだか旅と共に色んな女が出てくるなぁというのはぼんやりと印象に残っている(もちろん男性も>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.5

とにかく繊細で、目に映る俳優たちの振舞いや風景やカメラワーク、そして届いた言葉や音楽が、遅れることなくダイレクトに観ている私の心を揺さぶりつづける作品。

中学生になって新しい学校が始まったばかりのレ
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.6

人が恋に落ちる瞬間からその終わりまでをとても丁寧に描いた作品。
愛した相手を求めたり憧れたり寂しくなるような感情は普遍的で、どんな性的嗜好であってもそれは基本的に同じ。
ちょっとした心の動きを描くゆえ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

宣伝しないという宣伝効果と、公開後も、私が目にする範囲ではメディアでも何かがバレるような見出しもなく、さらに多くの観客もその姿勢に追随している空気感が、なんとも面白い。
私もその波に乗り、できるだけ本
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思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

3.3

誰も傷つかない選択、自分が傷つかないようにする振る舞い、そんな生き方を知らぬうちに強いられた環境。
驚くほどに誰も傷つかない結末に、思った以上に唖然とした自分にびっくり。
それでも映像や音楽が良かった
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SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる(2023年製作の映画)

-

これは………

ある種の漫画に安易に挿入される悲劇や、その作品を映画化するために振り翳される権力を物語に取り込みながら、その構造をさらにこの作品自体で映画というフォーマットに当て嵌めて、しれっと世に放
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