碧

ずっとお城で暮らしてるの碧のネタバレレビュー・内容・結末

ずっとお城で暮らしてる(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大好きな小説の映画化ということで発表された時から気になっていたものの、なかなか日本で公開される様子がないのでAmazonで購入しました。
概ね原作通りで、セリフも原作で何度も読んだものが多いので字幕なしでも観れました。少し展開が早い気がしたのは、おそらく本を読むときのスピード感に慣れてしまってるからかな。
メリキャットの少し挙動不審な動きや、チャールズの偽善者然とした態度など演技が素晴らしかったです。メリキャットの毒キノコ解説とジュリアンおじさんの戯言の合唱がいい感じにcrazy house感あって最高でした。ジュリアンおじさん思ってたよりかっこよかった…。ジョナスが影薄かったのは仕方ないのかな…。猫だし…。
多少の改変は映画化にはつきものですが、コンスタンスの恋愛的な側面が少し強調されてるかな?という印象(序盤でジムとの過去の恋愛をほのめかすなど)。メリキャットの一人称で進む小説においては、一番謎の多いのがコンスタンスかなと思っていたのですが、映画では表情が見えるのと、その改変部分のために、「人に愛されたい」という欲望が強く出ているキャラクターかな?と思いました。あと、コンスタンスの私の中のイメージが「素朴な美人」だったので思ったよりも派手だなと感じましたが、違和感はなかったです。
ラストも少し違って、まさかのチャールズが家に侵入してきたときはびっくりして思わず口が開きました。チャールズも殺しちゃうのか〜と。原作よりチャールズの行動が過激でしたね。メリキャットを二階に引きずっていくところとか…。コンスタンスが後ろで怯えてたの、めちゃめちゃ共感(?)しました…。あれは怖い。
原作が大好きなので、映画どうだろう? と楽しみ半分、不安半分でしたが、ほどほどに満足できる出来だったと思います。映画として素晴らしいものかと言われると、多分傑作ではないです。話が少し違うだけでがらりとイメージが変わる側面があり、また一人称の小説とほぼ三人称のような映画という違いもあるので、自分が読んでるときに想像してた通りとはいきませんが、小説の世界観を出来るだけ壊さずに移植するという点では、ほぼほぼ成功してるのではないかな? と思いました。
碧