YUYA

君の名前で僕を呼んでのYUYAのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

この作品のストーリーに関しては何も言うことないです。そして全部を通して素晴らしい映画でした。


1.流れてくる音楽やBGMなどはほぼピアノの音。自然の美しさを魅せるときに聴こえてくるのは自然の音。統一されていて、無駄な音楽や雑音を感じることはありませんでした。音楽で人の気持ちを現す技法はよく使われますが、ピアノの音だけというのは斬新で面白く、彼の心の中のBGMを聴いているようで素敵でした。最後のシーンのエリオが感情を堪えながら見つめる火というのも、1/fの揺らぎ(説明省略)により心を落ち着かせようという意味のある行動でエンディング曲とも美しくマッチしていました。


2.カメラワークは今まで見た映画のなかでもレベルが違うなと思えました。同性、異性との恋愛を題材にしているため、アブナイシーンがあるけども、そこをカットするわけでもガッツリ映すわけでもなく、際どく残し魅せる。まるで美しい絵画を見ているような感覚に落ちました。家の外では綺麗な町並や美しい自然があるので、無理やり顔に焦点あてたりしなくても良いというところから、遠目から2人を長回しで観察したりするなど遊び心もあって面白かったです。特に自転車漕いでて休憩中にタバコを2人で吸うシーンは自分の中でかなりの隠れ名シーンだと思ってます。そして名シーンはやはり最後にお父さんとエリオが2人で話をしているシーンです。長回しで2人が会話をしているシーンはお互いにお互いを傷つけない為に探りながら話始めていく。そしてそこから少ないカットで二人のお話しの時間。
''How you live your life is your business.'' いつか言ってみたいです。


他にもたくさん良いところがあります。二人の気持ちが一番伝わってきたのは、エリオとオリヴァーが駅で別れるシーンです。キスしたいけど回りの目があるからと察して、今までにないほど強い抱擁。2人のもどかしさというのが悲しいほど伝わってきます。そしてポスターです。このポスターは映画を見たあとに本当の味をだします。見た目は色鮮やかでシンプル。そして「何1つ、忘れない。」というワードもしつこくなく、2人の気持ちを表している映画を見たあとにも気づかせてくれるイキなセリフだなと思いました。






ただ1つだけ言わせてもらいます。












うるさいじいちゃんばあちゃんは本当に入れる必要あったのか?? コメディ要素を無理やり入れようとした雰囲気しかなくて映画から引き剥がされたかな。ストーリーには全く影響ないから峰打ちのマイナス0.3点。
YUYA

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