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君の名前で僕を呼んでのxiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9

すごくよかったです。
時代を感じられる荒々しい画面の中に中性的なティモシーくんの綺麗な顔立ちと色っぽさが圧倒的に際立たっていました。

エリオはまだ若くて、大人にはなれなくて、言葉や目線、仕草、感じとったもの全てに心を動かす。
それはきっと彼なりの愛し方であったり自己防衛で繊細で難しいと思えば思うほど愛しいなと思う。
裏切り者ってセリフは不器用すぎるほど素直だし、大人であろうとするオリヴァーもまた不器用だなと感じました。
そして、優しい世界だなと思った。
エリオは間違いなく素敵な環境で10代を過ごせていると思うしどうか腐らないで欲しい。
お父さんがエリオに語るシーンはグッとくるものがあったし、宗教や時代も絡められていることを思うとあらためて難しいこともたくさんあるのだとおもいます。
それでもエリオはオリヴァーだったから、オリヴァーはエリオだったからだと思うと理屈じゃないんだよねと切なくなし素敵な恋だとも思う。
大人になるにはたくさんのことを削ぎ落としていかなくちゃいけないなんて誰が決めたんだろう。ハッとしました。

エンディングもとてもよかったです。
ずるいなあと思う。あんなの最後まで観てしまうし余韻の残し方がうまい。
エンディングでグッと浸れるあの時間がとてもよかった。
本編は常に詩集をみてるような感覚で、感じとって感じとって最初に観終えた時の気持ちを大事にしていきたいと思えた。

ティモシーくんはインターステラーのイメージがあったからあまりにも色っぽい演技でびっくりしました。
本当に素晴らしかったです。
グザヴィエドランの作品ととても相性が良さそうだなと思ったので切実にいつか観てみたい…。
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