キヨ

猟奇的な彼女のキヨのレビュー・感想・評価

猟奇的な彼女(2001年製作の映画)
4.5
〈2015/1/24 dビデオ〉
タイトル通り、破天荒な彼女に振り回されるラブコメディ。

おそらく、彼女の性格を好きになれるかどうかで面白いか面白くないか2極化しそうな映画。例えば、コーラを頼もうとすれば「殺されたい?コーヒーにしな」 女の子っぽいことを要求すれば「次いったら殺す」と言われ、ビンタされるし、ともかく破天荒。
でも、個人的は性格どストライクでした(笑) ともかく芯があって、相手に迷惑をかけるっていう意図じゃないわがままを言ってしまう人を好きな人はたぶんこの映画を好きになれます。彼女役をやってる女優も、かわいいと美人のちょうど真ん中のような、中途半端(?)な顔立ちなのもいい。

前半はコメディ、後半は泣かせる展開と、ラブコメディでは王道的な展開だけど、彼女の性格と彼女の秘密から普通のラブコメとは違う恋愛模様が描かれてるのもよかった。個人的に、100日祝いとして、各自が「一番素敵だと思うこと」を互いに要求するシーンがあったけれど、だいたいの恋愛劇で男か女かがサプライズとかで一方的にやって、感動!とかしちゃう中、互いに努力しなきゃいけない試練(主人公が女子大に潜入するのもまぁ試練(笑))を抜けて、互いに祝いあうっていうのがよかった。ちゃんとピアノ練習してたのかと感動。

主人公は最初は「この子を癒さなきゃ」という理由から付き合い始めて、よくある「支え合う恋愛」かなと思わせながらも、小さなエピソードから後半へ二人の成長を描いて、「互いに高め合う恋愛」といった感じに帰結してるようにも感じる。
そういう恋愛の形が一番理想な自分としては、個人的にとても感動できる作品でした。

余談ですが、一度に見たあとでも彼女の秘密の回想シーンを見直してみるとより感動すると思う。手紙ではコーラじゃなくてコーヒーを頼ませてた理由が語られてけれど、回想シーンをよく見ると逆の本当のことがわかる。彼女、ずっと努力してたのかってことがわかるいい伏線です。
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