otomisan

あばずれのotomisanのレビュー・感想・評価

あばずれ(1965年製作の映画)
3.8
 フン刻みでツッコミたいのはポルノの巨匠だから~?
 そうではない。だが、それを語る前にそもそもこの監督自身の手になる16ミリ切り詰め版が遺されたのが何のためかを問い直されねばならない。
 それは、監督が無駄な場面を嫌い、必要な箇所だけから、この出来損ないのどこをどうすべきであったか再考するための叩き台とするためである。現実に撮り直しを考えたとは思わないが、第一作のこれを制約多い中で作り終え、ここをあそこをと無念が募り、ならばどうすれば業務改善で解決できるか想を巡らすところ多大であったに違いない。
 従って、恥多きこれが我が目に触れる事は渡辺護の反省を追体験することでもある。だから、ツッコむ度にそこには渡辺護がいるわけである。それを感じるとき濡れ場乏しきポンコツにも、どこかいのちの通いを覚えない訳がないのだ。
otomisan

otomisan