青いむーみん

アンダー・ハー・マウスの青いむーみんのレビュー・感想・評価

アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)
2.5
 LGBTモノだったり障がい者モノだったりは基本的に全て他の人達と同じ人間であるということが根幹にあるので、もうその見方をする素地ができあがってしまった。なのでそれをより深くするような、例えば『ダイビューティフル』のようにその個人として特別魅力がある人物を描くとか、『ハートストーン』のようにメイン二人の関係性の変化を一本通して描いたりするようなものでなければ、あまりに平々凡々なマイノリティモノは埋もれてしまう。まさに今作はそんなものだった。

 物語の筋はベタ。ベタでもいいけど表現したいこと、そしてその表現方法はなんだ?と思っていたらこれダラスことエリカ・リンダーを好き放題撮りたいだけにしか見えない。エリカ・リンダーがとんでもないレベルの素材なのは分かるけどこれは素材のまま調理せず、味付けしない本来の味が一番とでも言うかのような何もなさ。でも数々の女優のデビュー作ってわりとこんなもんだったなとも思う。

 映画的な期待は何もせず、ただエリカ・リンダーを観たいなら観に行けばいいんじゃないかな。