青いむーみん

君の膵臓をたべたいの青いむーみんのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.0
 浜辺美波。まずこの逸材に拍手。桜良というキャラクターを120%にして魅せていただいたような気がする。北村匠海。彼にも拍手。イケメンがこういう役をやると説得力がないパターンが往々にしてあるが今回はそれとは異なる。この二人をキャスティングした時点で映画化した価値ありだ。
 この物語は非常にライトノベル的で根暗少年がクラスの人気者少女とひょんなことから親しくなっていく。しかもその少女の余命は短い。ありがちで想像の付きそうな、どっかの中心っぽいあらすじだが、一点。非常にリアルで驚かされるポイントがある。むしろそのリアルさを際だたせるためにファンタジックなくらい美しく可愛らしい二人の関係性を描いてきたのではないかと思わせられる。そのポイントは近しい人がそういう目にあった場合の感覚を疑似体験しているかのよう。原作を読まずに映画で体験した人はショックが大きいかもしれない。ああいうことはどんなタイミングで起こるかわからない。原作同様、タイトルの意味もしっかりしているし、彼女から彼への想いも彼から彼女への想いも感情だけで突っ走っているものではなくちゃんとしたロジックがあるのもいい。
 しかし、必要だったのか小栗旬と北川景子、おまけに上地雄輔。原作にはない数年後の話を彼らを出演させるために作ったように感じた。物語の邪魔にはなってなかったけど必要だったか疑問。そのパートで行われた重要な部分は原作では高校生のうちに済ませられたし、それ以外は特にいいアイデアだとも思わなかった。あまりああいう名前の強い人が出てくるのは展開的に好ましくなかった。あと音声がおかしい。アフレコしたんだろうか?録音方法が従来のものと異なるんだろうか?主役二人のセリフ、特に桜良の声のノリに違和感がある。とまぁいくつか疑問、違和感はあるけどそんなに落ちることはない。とにかく主役二人がいいし、再度言うが特に浜辺美波は素晴らしい。彼女のこれからのキャリアにおいて膵臓がベストだったと言われないようにもっといい女優生活を送っていって欲しい。