歓迎され(ているように見え)るダニエルだが、故郷サラスの人々に翻弄され、穢され、搾取されてしまう。そこに待っていたのは、自らの作品で散々ネタにしてきた相手からの思わぬしっぺ返しだった。
それに抗いもせず冷静に対応するダニエルの姿は聖人君子さを増し、よりコントラストが強まる。住む世界が違うのだと言わんばかりに。
笑う故郷というタイトルでジャンルはコメディ、なのにぜんぜん笑えない。むしろ胸糞系だし、ある意味ホラーより怖い。
笑うは笑うでも“嘲笑う”の方。故郷を嘲笑い、故郷に嘲笑われる。
ジャンルを超えるほど予想外の展開と、そこからの完璧なオチ…めちゃくちゃ良かった。