狂気に見えたものがそうでなかったり、その場所では普通に行われていることが実は異様だったり、人の社会のズレみたいなもの。
普通の日常の中にじわじわと気持ち悪さが滲み出てくる感じと、(どんどん巻き込まれているのに気づかずに)あくまで傍観者な主人公の温度差がヒヤヒヤさせる。
それにしても、町に残るへんな伝説と祭りの設定にぞくぞくした。こういうの大好き。
この映画は主人公にあまり主人公としての役割がなく、狂言回し的な立ち位置なのだけど、(監督も褒めていたように)錦戸亮がごくごく普通の人の良い若い人を素直に演じていて好感が持てた。脇が濃いキャラ揃いのなかで良いバランス。