⚾️2021年271本目⚾️(吹替)
内容的にはとても惹き込まれたけど、一番最後に映画として何を言いたかったのかが、私にはよく分からなかった。父親本人も辛いとは思うが、自分が奥さんなら耐えられない状況。息子の立場としてもかなり辛い。
真っ直ぐに受け取ろうとすれば、父が居なくなって分かる存在の大きさのような空気を感じたけど、父親の仕打ちが 息子の事を思ってと言えるレベルから常軌を逸していたので、あの終わり方は腑に落ちなかった。
ただ 過酷な時代を父が生き、凝り固まってしまった現実は真実であり、そういう人生を家族全体として見せる事によって、時代に翻弄された男とその家族への影響を伝えてるのかなとも捉えられるので、スコアをつけることがとても難しい。
最初に文句のオンパレードだった父親を見て、自分もこういう時あるなと少し共感してしまったのだけど、後に明らかになる事があまりに身勝手かつ、奥さんに押し付けた事が理解不能だったので、途中から見る目が変わってしまった。自分でも何故ここまであがくのか、分からなくなってしまってるけど、今更引き返せないのかなとも思う。
私が奥さんなら 人の不幸とは言え、心の中であの結末に安堵すると思うし、その後の同じ選択は出来ない。見る度に思い出して、きっと愛せない。
想像してた物語とはだいぶ違ったけど、フェンスが隔てる呪縛は家だけでなく、そこに住む人間達も囚われてるんだなと思った。父親の仲間も、あれ以上は口出し出来ないよな…
自分の苦しみを語る男に対し、妻が言い返したシーンはずっと泣いた。夫の気持ちも妻の気持ちも分かるけど、逃げ場はないのは同じなのに、あの裏切り方は酷い。その後の対処も酷い。
どの視点から観るかによって、気持ちが変わると思うので、平均スコアが低めなのも納得。ただ映画としては、とても見応えがあった。
親子って難しい。特に同性はね。