心の中に落ちた青い水滴の波紋が、
月に照らされた海原にまで
広がって行く感じがする位に、
見終わってからもその余韻の輪が
広がり続けている。
ある男の人生を3時代に切り取った日常の話。
マイアミに降り注ぐ太陽の光と月の光、
人間の弱さの中に秘めた強さ、
逆に強さの中にある弱さ…など
相反する要素が魅力と輝きを増していた。
言葉が少ない分、
詩的な台詞たちが心に優しく響いたし、
音楽が想像以上に素晴らしく、かなり効いてた。
映像も色味など本当に綺麗で、
主人公の眼にどんどん吸い込まれていって、
表現力の奥深さにヤラレタ。
題材は重く、決して幸せな感じではないのに、
色々な揺るぎない愛と演出の美しさが混ざって、
初めて感じる幸福感と人種も性別も超えたトキメキがあった。
観る前に抱えていたイメージと良い意味で違って、
そこがもう素晴らしく、
今まで観たブラックムービーの中で間違いなく
一番センスが良くて色気があって美しい。
もはやブラックムービーという枠すらサクッと越えてる。
そして、誰もが心の中にシャイロンを見付けると思う。
考える映画じゃなくて、感じる映画。
帰り道で、
脳裏に焼き付いたサントラの歌の
every nigger is a starのサビを、
every human is a starて歌いながら帰った。
むしろ、そんな感じ。
今無償に海辺に波の音を聞きに行きたい気分。
もう一回映画館で観よう。
まるで新しいブラックムービーのビフォアサンセットやん、拍手👏