日本語も英語もいろんなことばを思い浮かべたけれど、確実に"love"しかない。何とも頼りなく、しかし確実にあるような、小文字の"love"。
とても本質的な物語だった。職業も家庭も肌の色も性もすべては「環境」であり、装飾品であり。人間は絶えず変化していくものだけれどその本質はいつでも変わらず。
音楽も映像も演技もすべて素晴らしかったけれど単体に興味があまり湧かず、というよりどれか1つがなくなるとすべてが崩れるような気がする。
とてもシンプルなように思えて、情報はさり気なくしっかりと伝えてくる。唇の動きや空気のうねり、息づかい、目の下のくま。全てが重なってひとつの結晶体のようになっていて、簡単に触れられないと思った。沈むような美しさ。
ただぼんやりと眺めていたはずなのに、それでも積み重なって溢れるものがあって。これ程までにエンドロールがあってよかった!と思ったことはない。余韻。