ぶちょおファンク

ARQ 時の牢獄のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

ARQ 時の牢獄(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★2 中盤★3.5 終盤★3.5

“タイムループ”もの3連発その3!

良い点
◯低予算ながらそれをカバーするような非常によく考えられ工夫された脚本!
◯『Saw』や『羊たちの沈黙』のパロディー(オマージュ)っぽいシーンは映画好きなら少しニヤける。
Hannahという下から読んでもハンナ(ループとも言える名前)というのは『メッセージ』でも使われていたが、映画自体は両作とも2016年製作なんでパロディーではないと思われる。
◯何気に“アップル”と“ソニー”のキーワードが笑える。
ただSONYではなくSonnyなんで意図はないかもだが、ARQを操作するパソコンはiMacの筐体に少しパーツをつけてるだけだし、やたらとリンゴを食べるシーンを繰り返すので勘ぐってはしまう!(笑
◯9回で1セットのシークエンスはおそらく西洋ではよく知られている“Nine Lives”の概念と思われる。
◯616(時間)や919(日付)等の数字もループっぽくて芸が細かい。

残念な点
●低予算なんで説明セリフが多い。
●外気は汚染されていてマスクなしでは保たないと思わせておきながら意外と大丈夫(即死はしない)なのにガッカリ…。(一応咳はしてる…)
●誰がなんのために“死体の口にメモ(羊たちの沈黙)”を入れたのか…???
要するにあれはメッセージな訳で、それに対して主人公は“諦めない(今作のテーマのひとつ)”と奮起するけど状況的に考えればソニーかハンナしかおらず、ソニー(ハンナ)は“この繰り返す悪夢を終わらせてくれ”という意味でメッセージを…???


☆総評
タイムループものは好きでたくさん観てるけど、序盤はよくあるループものでしたが中盤から面白くて感心しましたっ!

終盤にて“血溜まりで感電死”のくだりが謎で、「初めてのはずなのにまるで感電死するのを知ってるような…?」と疑問でしたが、編集上セリフやシーンをカットして辻褄が合わないのかと思ってたらそこも“狙い”でビックリしました!
(基本は1シークエンス終了でリセットされるが以前のシークエンスでの記憶が残っていたというご都合主義ではある…)

監督(脚本)のファンが誰もおらず、自分はあんたのセンスを評価するよ!
って応援も兼ねフィルマでのファン1号になっておく♪(笑


2021年145本目(+短編8本)