感染症が蔓延する世界
発想と世界観はとても魅力的なのに中途半端で残念。


＜鑑賞記録・あらすじ引用＞
人間の記憶能力を奪う感染症が世界に広がる近未来。
病気を恐れ密室に閉じこもり過ごす父と娘
廃墟と化した建物の一室で目を覚めた男女
だが記憶を失った彼等には二人の繋がりを思い出す事ができずにいた。

記憶を維持できなくなるウイルスが蔓延した世界で生きる人々を描いたSF。過去を忘れることで文明が崩壊したという設定は、今に向けた批評性を感じさせる。登場する父娘と学者は、前者が家父長制、後者が専門知の軽視といった同時代的問題を示している。こうしたさまざまな問題を横断するチャレンジは面白いと思うけど、それが上手くまとまってないのは残念。アイディアは鋭いですけどね。

記憶をなくすウィルスの蔓延された世界でのおはなし。設定はかなり面白いのに、イマイチ。ゆっくりと進むテンポと主人公は誰なのか掴むのに時間がかかり感情移入や哲学的な発想や考えさせられる状態さえならない映画だった。