Koshii

ジェーン・ドウの解剖のKoshiiのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
3.6
ワンシチュエーション物として、気になっていた一本。

非常に綺麗にまとまっているので、構成だけをみると素晴らしい作品だと思います。

遺体安置所に運ばれてきたのは、身元不明の死体『ジェーン・ドウ』。死因の解明を請け負うのは、監察医であるトミーと息子のオースティン。彼らはこの『ジェーン・ドウ』を解剖していくのだが、その体から次々と不可解な損壊が見つかる、、

彼らが辿り着こうとしている真実とは一体!?

パンドラの箱は開けられてしまった、、



以下、ネタバレや感想を含みます。










ワンシチュエーション物として、非常に良くできた作品だと思う。とにかく、展開の魅せ方が上手い。与えられたピースのみで、徐々に解き明かされる『ジェーン・ドウ』の謎。そして、ホラーとしては珍しく、怪奇現象は自分たちの陣地(いわゆるセーフティエリア)で発生する。そのため、彼らが翻弄される恐怖には、ポッとでの設定も、後出しジャンケンのように後付けされる展開もないので、ストレスフリーで観れるところも良い点だ。

また、その超常現象に対して二人は割とすんなりと受け入れるのだが、これも映画のテンポを良くするという意味で好印象であった。

ただ、個人的には呪いや魔女といったオカルトチックなものが絡むなら、何でもありじゃんと思ってしまうのでオチはそんなに好みではなかった。しかし、そこに向かうスピード感や先の見えない展開は非常に楽しめた。


トミーとオースティンが解剖するのは『ジェーン・ドウ』。それによって解剖されるのは『ジェーン・ドウの解剖』という映画自身であり、まるでマトリョーシカのようで、なんとも妙な感覚なのだが、面白い設定だと思う。
Koshii

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