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アウトサイダーズのamukmiのネタバレレビュー・内容・結末

アウトサイダーズ(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

イギリスを舞台にした映画では階級社会で苦しむ人々がよく出てくるが、本作にはヒッピー同然に暮らすコミューンが出てくる。
アメリカが舞台だとよく出てくるが、イギリスが舞台の作品でこういった人たちを見るのは初めてかもしれない。
そのコミューンに暮らす主人公含む彼らは文字も読めず、学校教育すらまともに受けてない。
できることは犯罪くらいで、今の暮らしから抜け出そうにも抜け出せない。

マイケルファスベンダー演じるチャド・カトラーの姿からニコラス・ウィンディングレフン監督の大傑作『プッシャー2』のマッツ・ミケルセン演じるトニーを思い出した。
彼も今の犯罪ばかりの暮らしから抜け出そうにも抜け出せず、親父の言うことに逆らえない男だったが、ラストで何とか子供をその負の磁場から離そうと走り出す。
チャドもそれに重なった。

もっとドン底ってくらい追い込まれてもいいかなとも思った。
チャドは確かに行き場がないのかもしれないが、主人公を追い詰める大きな事件が何もないままに見える。
チャドたちが犯した美術品盗難事件も証拠挙がってないから逃げられそうだし、犬の事件だけでそんな長くいるかな、なんて思ってしまって、トニーほど追い詰められてないなと笑
親として子供をこんな状況から逃してあげたいという気持ちはわかるのだが、追い詰める事件がないためやはり少し弱いかな。
個人的には好きなタイプの映画だけれど。もったいない。
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