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ニーゼと光のアトリエのharuのレビュー・感想・評価

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)
3.0
アイスピックvs.筆

1940年代ブラジル。当時の精神病最先端治療「ロボトミー手術」は、アイスピック1本でどんな暴力的な患者も、大人しくさせることができるらしい。しかし精神科医ニーゼは、ロボトミーも電気ショックもせず、患者に自由に絵を描かせることで、治療を施していく。

電気ショックやロボトミー手術は、今じゃホラー映画の代名詞みたくなってますけど、真面目に公然と治療の一環として実施されていた時代がありました。当時の精神病患者に対しての治療の目的は、治すのではなく、廃人にして暴れる気力を失わせること。本人の意志より、周囲の人間の負担を減らすことに重きが置かれた治療法で、精神病を患うと、人間扱いしてもらえなくなる。
自分の思いを言葉にするのは難しくても、絵で自分の中にあるものを表現する。全員プロレベルの才能で、すごいです。
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