イチロヲ

宇能鴻一郎のむちむちぷりんのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
会社で燻っている夫(たけうちのぶし)を格上げさせるため、美人で名器もちの若妻(片桐夕子)が、会社上司を相手に取って孤軍奮闘する。若妻による性のアドベンチャーを描いている、ロマンポルノ。

「んなわけねーじゃん!」の連続性を楽しむための、純然たる艶笑コメディ。主人公のトボけた一人称語りが、あいかわらずの面白さ。宇能鴻一郎原作の作品は、官能小説を女優が朗読しているような、珍妙な感覚を得ることができる。

夫の関知しないところで、妻が密かに体を張ることにより、夫が立身出世する。本当の意味(?)のアゲマンを描いていく。片桐夕子ほどの良妻をもちながらフニャチンになる夫の心理がいまひとつ理解できないが、細かいことは考えないでおこう。

すぐにヤラせてくれる女子がたった一人いるだけで、男性陣(労働者たち)がたちまち元気になる。「労働者を現場に繋ぎ止めるためには、まず性風俗を設置すべし」という人間社会の真理を汲み取ることができる。
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